Zwei Bentōboxen, die auf dem Morgenmarkt von Wajima vertauscht wurden
A2 · Food & Cuisine
朝[あさ]七[しち]時[じ]、輪島[わじま]の朝市[あさいち]はにぎやかでした。店[みせ]の人[ひと]たちは魚[さかな]や野菜[やさい]を売っ[うっ]ていました。海[うみ]から冷たい[つめたい]風[かぜ]が来[き]て、焼き魚[やきざかな]のいいにおいがしました。
美咲[みさき]は赤い[あかい]弁当箱[べんとうばこ]を持っ[もっ]ていました。中[なか]には、祖母[そぼ]に教え[おしえ]てもらったサバごはんが入っ[はいっ]ていました。今日[きょう]は父[ちち]に会う[あう]日[ひ]でした。父[ちち]は十[じゅう]年[ねん]前[まえ]に家[いえ]を出[で]ました。今[いま]は朝市[あさいち]で魚[さかな]を売っ[うっ]ています。美咲[みさき]は長い[ながい]間[あいだ]、父[ちち]と話し[はなし]ていませんでした。
弁当[べんとう]の上[うえ]には手紙[てがみ]がありました。 「お父さん[おとうさん]へ。あの日[ひ]、ひどいことを言っ[いっ]てごめんなさい。この味[あじ]をまだ覚え[おぼえ]ていますか。」
美咲[みさき]は父[ちち]の店[みせ]を遠く[とおく]から見[み]ました。でも、会い[あい]に行く[いく]勇気[ゆうき]がありませんでした。そこで、近く[ちかく]の店[みせ]で温かい[あたたかい]お茶[ちゃ]を買い[かい]ました。
旅行者[りょこうしゃ]の健太[けんた]も、その店[みせ]でお茶[ちゃ]を買っ[かっ]ていました。健太[けんた]の赤い[あかい]弁当箱[べんとうばこ]は、美咲[みさき]の弁当箱[べんとうばこ]と同じ[おなじ]形[かたち]でした。二人[ふたり]は弁当箱[べんとうばこ]を台[だい]に置き[おき]、お茶[ちゃ]を受け取り[うけとり]ました。そして、急い[いそい]で相手[あいて]の弁当箱[べんとうばこ]を持ち[もち]、別[べつ]の方向[ほうこう]へ歩き[あるき]ました。
美咲[みさき]は父[ちち]の店[みせ]へ行き[いき]ました。 「お父さん[おとうさん]、これを食べ[たべ]て」 父[ちち]がふたを開ける[あける]と、卵焼き[たまごやき]とおにぎりが入っ[はいっ]ていました。 「これはおまえの弁当[べんとう]か? おばあちゃんのサバごはんは?」 美咲[みさき]は手紙[てがみ]がないことにも気づき[きづき]ました。 「違う[ちがう]! 私[わたくし]の弁当[べんとう]じゃない!」
そのころ、健太[けんた]はベンチで弁当[べんとう]を開け[あけ]ました。サバごはんと手紙[てがみ]を見[み]て、すぐに間違い[まちがい]がわかりました。 「これは大切[たいせつ]な弁当[べんとう]だ」 健太[けんた]は美咲[みさき]を探し[さがし]、朝市[あさいち]の入口[いりぐち]で見つけ[みつけ]ました。 「すみません。弁当[べんとう]を間違え[まちがえ]て持っ[もっ]てきました」 二人[ふたり]は弁当箱[べんとうばこ]を交換[こうかん]しました。
美咲[みさき]は父[ちち]の店[みせ]へ戻り[もどり]ました。父[ちち]はサバごはんを一口[ひとくち]食べ[たべ]ました。 「母さん[かあさん]の味[あじ]と同じ[おなじ]だ」 そして手紙[てがみ]を読み[よみ]ました。父[ちち]の目[め]は赤く[あかく]なりました。 「覚え[おぼえ]ているよ。味[あじ]も、あの日[ひ]のことも」
父[ちち]は美咲[みさき]に言い[いい]ました。 「明日[あす]もここへ来る[くる]か?」 「うん。今度[こんど]は二人[ふたり]分[ぶん]作る[つくる]よ」