ちょっと聞い[きい]て。変[へん]なもの見つけ[みつけ]た
え、何[なん]w
大丈夫[だいじょうぶ]?何[なん]かあった?
体[からだ]は大丈夫[だいじょうぶ]。でも…なんか変[へん]な気持ち[きもち]になってる
山小屋[やまごや]のノートを読ん[よん]でいたら、10年[ねん]前[まえ]のページに手紙[てがみ]みたいなのがあった
えっ
こわっ!幽霊[ゆうれい]系[けい]?
幽霊[ゆうれい]じゃないけどw
「十[じゅう]年[ねん]後[ご]にこれを読ん[よん]だ人[ひと]へ」って書い[かい]てある
マジで?!
しかも内容[ないよう]が…なんか自分[じぶん]のことみたいで
📷
これが十[じゅう]年[ねん]前[まえ]のノート?
うん。少し[すこし]内容[ないよう]を書き出す[かきだす]ね
「今日[きょう]、山[やま]で働く[はたらく]か、街[まち]に行く[いく]か、決め[きめ]ました」
それ、今[いま]のハルじゃん
そう…次[つぎ]もある
「南[みなみ]の道[みち]で転ん[ころん]で、左足[ひだりあし]に小さな[ちいさな]傷[きず]ができました」
左足[ひだりあし]……
ハル、ちょっと待っ[まっ]て
…
私[わたくし]、左足[ひだりあし]に傷[きず]があるよ。前[まえ]に南[みなみ]の道[みち]で怪我[けが]したやつと同じ[おなじ]
偶然[ぐうぜん]?!
まだある
「16歳[さい]のきょうだいが、いつか山[やま]で働き[はたらき]たいと言っ[いっ]ています」
「その子[こ]の夢[ゆめ]が叶え[かなえ]ばいいなと思い[おもい]ます」
待っ[まっ]て待っ[まっ]て待っ[まっ]て
10年[ねん]前[まえ]、ハルって16歳[さい]だよね?
…うん
ハル
姉ちゃん[ねえちゃん]?
…その手紙[てがみ]、日付[ひづけ]は書い[かい]てある?
少し[すこし]待っ[まっ]て
……8月[がつ]17日[か]って書い[かい]てある
ユイさん?
ユイさーん??
姉ちゃん[ねえちゃん]
ごめん
ハル、最後[さいご]まで読ん[よん]でくれる?
「今日[きょう]、私[わたくし]は街[まち]を選び[えらび]ました。でも山[やま]のことを、ずっと忘れ[わすれ]たくない」
「十[じゅう]年[ねん]後[ご]にこれを読む[よむ]人[ひと]へ。あなたが山[やま]にいるなら、きっと大丈夫[だいじょうぶ]です」
「Y.T.」ってイニシャルだけ書い[かい]てある
ユイさん…もしかして
「あのさ…ハル、ごめんね。えーと、うまく言え[いえ]ないんだけど。その"Y.T."…たぶん私[わたくし]だよ。十[じゅう]年[ねん]前[まえ]の8月[がつ]に、一人[ひとり]であの山小屋[やまごや]に行っ[いっ]たから。南[みなみ]の道[みち]で転ん[ころん]で、左足[ひだりあし]ちょっと怪我[けが]したし。就職[しゅうしょく]のこと、すごく悩ん[なやん]でて。そのとき…ハルのこと書い[かい]たんだと思う[おもう]。あの頃[ころ]ハルが、山[やま]で働き[はたらき]たいってよく言っ[いっ]てたから。まさか本当[ほんとう]にハルが読む[よむ]とは思わ[おもわ]なかったよ。ごめん、ちょっとびっくりしてて」
えっ
ユイさんが書い[かい]たの…?
姉ちゃん[ねえちゃん]
うん
知ら[しら]なかった
言わ[いわ]なかったから
私[わたくし]も山[やま]の仕事[しごと]がしたかったんだよ。でも現実的[げんじつてき]じゃないと思っ[おもっ]て、やめた
そうだったんだ
ユイさん…
でもハルが今[いま]あそこにいること、なんか嬉しい[うれしい]。本当[ほんとう]に
姉ちゃん[ねえちゃん]が諦め[あきらめ]たこと、私[わたくし]がやってるんだね
そういうことかな
ハル、今[いま]の仕事[しごと]、やめないでね
うん
俺[おれ]、泣き[なき]そうw
タクミまでw
やばい、天気[てんき]が変わっ[かわっ]てきた。そろそろ下山[げざん]しないと
早く[はやく]帰れ[かえれ]!!
気[き]をつけて。必ず[かならず]連絡[れんらく]してね
わかった。でも姉ちゃん[ねえちゃん]
この手紙[てがみ]、どうしたらいいかな
どういうこと?
持っ[もっ]て帰り[かえり]たい。でも次[つぎ]の人[ひと]が読め[よめ]なくなる
それなら
ハルが返事[へんじ]を書い[かい]ていきなよ
「夢[ゆめ]を叶え[かなえ]ました。ありがとう。」って
…
それ、いい
ハルそれやって!!
うん。書い[かい]てくる
書い[かい]た。下山[げざん]します
❤️
無事[ぶじ]に帰っ[かえっ]てこいよ!!
うん
今日[きょう]、山[やま]がちょっと違っ[ちがっ]て見え[みえ]た
そうだろうね
気[き]をつけて帰っ[かえっ]てきて