Sehari dalam Kehidupan Pelatih Baharu yang Melarikan Diri dari Asrama Sumo
A2 · Sports
午前[ごぜん]五[ご]時[じ]、相撲部屋[すもうべや]の台所[だいどころ]から大きな[おおきな]音[おと]が聞こえ[きこえ]ました。
新弟子[しんでし]の直人[なおと]は目[め]を覚まし[さまし]ました。今日[きょう]は午後[ごご]三[さん]時[じ]から、初めて[はじめて]の練習[れんしゅう]試合[しあい]があります。親方[おやかた]は昨日[きのう]、言い[いい]ました。 「今日[きょう]、いい相撲[すもう]を見せ[みせ]たら、来月[らいげつ]の大会[たいかい]に出[で]られるぞ。」
でも、直人[なおと]はこわくなりました。昨日[きのう]の練習[れんしゅう]で、兄弟子[あにでし]の大地[だいち]に十[じゅう]回[かい]も負け[まけ]たからです。直人[なおと]は小さな[ちいさな]バッグを持ち[もち]、だれにも言わ[いわ]ずに部屋[へや]を出[で]ました。
東京[とうきょう]の朝[あさ]はまだ暗く[くらく]、直人[なおと]は駅[えき]まで走り[はしり]ました。でも、電車[でんしゃ]には乗り[のり]ませんでした。実家[じっか]へ帰っ[かえっ]たら、家族[かぞく]に何[なん]と言え[いえ]ばいいか分かり[わかり]ません。直人[なおと]は駅[えき]の近く[ちかく]の公園[こうえん]へ行き[いき]、ベンチに座り[すわり]ました。お金[おかね]は千[せん]円[えん]しかありません。コンビニでパンと牛乳[ぎゅうにゅう]を買い[かい]ました。
昼ごろ[ひるごろ]、公園[こうえん]で小学生[しょうがくせい]が相撲[すもう]をしていました。小さな[ちいさな]男の子[おとこのこ]が何度[なんど]も負け[まけ]ました。でも、すぐに立っ[たっ]て、また土[つち]の上[うえ]に戻り[もどり]ます。
直人[なおと]は聞き[きき]ました。 「負ける[まける]のが、こわくないの?」 男の子[おとこのこ]は答え[こたえ]ました。 「こわいよ。でも、一回[いちかい]勝つ[かつ]まで帰ら[かえら]ない。」
その時[とき]、後ろ[うしろ]から声[こえ]がしました。 「やっと見つけ[みつけ]た。」 兄弟子[あにでし]の大地[だいち]でした。直人[なおと]は下[した]を向き[むき]ました。
「すみません。ぼくは弱い[よわい]です。今日[きょう]も負ける[まける]と思い[おもい]ます。」 大地[だいち]は怒ら[おこら]ず、直人[なおと]のとなりに座り[すわり]ました。 「そのパンだけでは、お腹[おなか]がいっぱいにならないぞ。」 「親方[おやかた]は怒っ[おこっ]ていますか。」 「怒っ[おこっ]ている。でも、三[さん]時[じ]までに部屋[へや]へ戻れ[もどれ]ば、試合[しあい]に間に合う[まにあう]。」 「どうして、ぼくをさがしたんですか。」 「おれも新弟子[しんでし]の時[とき]、一度[いちど]逃げ[にげ]たからだ。」
二人[ふたり]は急い[いそい]で部屋[へや]に戻り[もどり]ました。練習[れんしゅう]試合[しあい]はちょうど始まる[はじまる]ところでした。親方[おやかた]は時計[とけい]を見[み]て言い[いい]ました。 「遅い[おそい]。早く[はやく]着替えろ[きがえろ]。」
直人[なおと]の相手[あいて]は大地[だいち]でした。試合[しあい]が始まる[はじまる]と、大地[だいち]は強く[つよく]前[まえ]へ出[で]ました。直人[なおと]は土俵[どひょう]の外[そと]へ押さ[おさ]れそうになりました。その時[とき]、公園[こうえん]の男の子[おとこのこ]の言葉[ことば]を思い出し[おもいだし]ました。 「一回[いちかい]勝つ[かつ]まで帰ら[かえら]ない。」
直人[なおと]は足[あし]を止め[とめ]、体[からだ]を低く[ひくく]しました。そして、力いっぱい[ちからいっぱい]大地[だいち]を押し[おし]ました。大地[だいち]の足[あし]が土俵[どひょう]の外[そと]に出[で]ました。
部屋[へや]が静か[しずか]になりました。直人[なおと]は自分[じぶん]でも信じ[しんじ]られません。大地[だいち]は笑っ[わらっ]て言い[いい]ました。 「今日[きょう]は、おれの負け[まけ]だ。」 親方[おやかた]は小さく[ちいさく]うなずきました。 「来月[らいげつ]の大会[たいかい]に出ろ[でろ]。でも、もう逃げる[にげる]な。」
その夜[よる]、みんなでちゃんこ鍋[ちゃんこなべ]を食べ[たべ]ました。朝[あさ]はこわかった相撲部屋[すもうべや]が、今[いま]は少し[すこし]家[いえ]のように感じ[かんじ]られました。