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佐渡の鬼太鼓に入った新しい音

春[はる]の夜[よる]です。佐渡[さど]の村[むら]に、大きな[おおきな]太鼓[たいこ]の音[おと]が聞こえ[きこえ]ます。 ドン、ドン、ドン。 鬼[おに]の面[めん]をつけた人[ひと]が、太鼓[たいこ]の音[おと]を聞い[きい]ておどります。これは佐渡[さど]の「鬼[おに]太鼓[たいこ]」です。村[むら]の人[ひと]は、毎年[まいとし]この音[おと]を聞き[きき]ます。

今年[ことし]は、ユイも来[き]ました。ユイは若い[わかい]女[おんな]の人[ひと]です。バイオリンを持っ[もっ]ています。 「太鼓[たいこ]とバイオリン?」 村[むら]の人[ひと]は少し[すこし]驚き[おどろき]ました。ユイも心配[しんぱい]です。音[おと]が合わ[あわ]ないと、鬼[おに]の動き[うごき]が止まる[とまる]かもしれません。

練習[れんしゅう]が始まり[はじまり]ます。太鼓[たいこ]はとても大きな[おおきな]音[おと]です。ユイの音[おと]は、太鼓[たいこ]の音[おと]に消え[きえ]ました。 「もっと大きく[おおきく]ひきましょうか」 太鼓[たいこ]をたたく人[ひと]は言い[いい]ました。 「いいえ。太鼓[たいこ]の音[おと]の後[あと]の、静か[しずか]な時間[じかん]を聞い[きい]てください」

ユイはよく聞き[きき]ます。 ドン、ドン、ドン。そして、静か[しずか]な時間[じかん]です。 ユイは長い[ながい]音[おと]をひきます。海[うみ]の風[かぜ]のような音[おと]です。 鬼[おに]はゆっくり手[て]を上げ[あげ]ます。太鼓[たいこ]もまた始まり[はじまり]ます。

夜[よる]、鬼[おに]太鼓[たいこ]が始まり[はじまり]ました。村[むら]の人[ひと]は静か[しずか]に見[み]ました。おばあさんが言い[いい]ました。 「新しい[あたらしい]音[おと]ですね。でも、佐渡[さど]の海[うみ]の音[おと]もします」 ユイは安心[あんしん]しました。古い[ふるい]音[おと]は消え[きえ]ません。そのとなりに、新しい[あたらしい]音[おと]が入り[はいり]ました。