Anotación en el cuaderno de la estación sin personal con fecha de hoy

Cuando Kenji, un ciclista de 52 años, se detiene a descansar en una estación de montaña sin personal en Okayama, encuentra una entrada en el cuaderno de visitas —fechada esa misma mañana— que describe su bicicleta, su ropa y una decisión sobre su ruta que tomó la noche anterior en completa privacidad. Con una sola barra de señal y el último tren saliendo en menos de una hora, envía mensajes de texto a su esposa y a un amigo de su club de ciclismo, intentando decidir si alguien lo está observando, y si esa persona aún está cerca.

Loading translation tools…

田中[たなか]健司[けんじ]は昨夜[さくや]から一人[ひとり]でロードバイクを走ら[はしら]せていた。今日[きょう]のルートは山[やま]の中[なか]の細い[ほそい]国道[こくどう]を北[きた]へ向かう[むかう]ものだった。小さな[ちいさな]無人駅[むじんえき]を見つけ[みつけ]て、少し[すこし]休もう[やすもう]と自転車[じてんしゃ]を止め[とめ]た。駅舎[えきしゃ]の中[なか]に入る[はいる]と、木[き]のベンチと古い[ふるい]駅[えき]ノートがあった。何気[なにげ]なくページをめくると、今日[きょう]の日付[ひづけ]の書き込み[かきこみ]が目[め]に入っ[はいっ]た。

ちょっと聞い[きい]ていいか

どうしたの?

何[なん]かあった?

無人駅[むじんえき]で休ん[やすん]でいる

駅[えき]ノートに今日[きょう]の日付[ひづけ]で書き込み[かきこみ]があった

俺[おれ]のことが書い[かい]てある

え?どういうこと

そのまま読む[よむ]

「青緑[あおみどり]のジャージの男性[だんせい]が自転車[じてんしゃ]で来[き]た。50代[だい]くらい。国道[こくどう]から来[き]て、峠[とうげ]の方向[ほうこう]へ行っ[いっ]た。次[つぎ]は川[かわ]の橋[はし]を渡る[わたる]だろう。」

サインは「?」だけ

...マジか

こわい😨

橋[はし]って、これから渡る[わたる]予定[よてい]の橋[はし]か?

そう

でも橋[はし]のことは昨日[きのう]の夜[よる]に自分[じぶん]で決め[きめ]た。誰[だれ]にも言っ[いっ]てない

誰[だれ]かがずっとついてきてたんじゃないの?!

それか最初[さいしょ]からルートを知っ[しっ]てたか

今[いま]、駅[えき]の外[そと]には誰[だれ]もいない

とても静か[しずか]だ

健司[けんじ]さん、今[いま]すぐ帰れる[かえれる]?

最終[さいしゅう]列車[れっしゃ]を確認[かくにん]した。あと一[いち]時間[じかん]ちょっとある

ノートの書き込み[かきこみ]の時間[じかん]は?

朝[あさ]の9時[じ]

でも俺[おれ]がここに来[き]たのは3時[じ]すぎだ

じゃあ書い[かい]た人[ひと]はもういない

6時間[じかん]前[まえ]に書い[かい]てどこかへ行っ[いっ]たんだ

そうなる...

他[ほか]の書き込み[かきこみ]はあるか?

ある。昨日[きのう]と一昨[いっさく]日[ひ]の分[ぶん]

でも今日[きょう]は、これだけだ

筆跡[ひっせき]は?

落ち着い[おちつい]た字[じ]だ。急い[いそい]で書い[かい]た感じ[かんじ]じゃない

写真[しゃしん]を送る[おくる]

待合室[まちあいしつ]の中[なか]。古い[ふるい]木[き]のベンチの上[うえ]に、小さな[ちいさな]駅[えき]ノートが置い[おい]てある。

ノート、持っ[もっ]て帰れる[かえれる]?

駅[えき]のものだから持っ[もっ]て帰れ[かえれ]ない

ちょっと待っ[まっ]て

昨日[きのう]、クラブのグループに明日[あす]のルートの地図[ちず]を上げ[あげ]たよな?

あ、上げ[あげ]た

でも橋[はし]のことは書い[かい]てない

でも地図[ちず]に道[みち]は写っ[うつっ]てたろ。この辺[へん]は橋[はし]を渡ら[わたら]ないと進め[すすめ]ない

...それは確か[たしか]だ

クラブに地元[じもと]の知り合い[しりあい]がいるんじゃないか。先[さき]にここに来[き]て書い[かい]ていった

でもなんで6時間[じかん]も前[まえ]に書い[かい]たの?

待っ[まっ]てないだろ。書い[かい]てから先[さき]へ行っ[いっ]たんだ

先回り[さきまわり]して書く[かく]のが面白かっ[おもしろかっ]たんじゃないか 笑[わらい]

全然[ぜんぜん]笑え[わらえ]ない!

ちょっと外[そと]を見[み]てくる

健司[けんじ]はホームに出[で]た。山[やま]の上[うえ]に夕方[ゆうがた]の光[ひかり]が当たっ[あたっ]ていた。空気[くうき]が冷たく[つめたく]なっていた。ホームの端[はし]まで歩い[あるい]ていくと、遠く[とおく]に人[ひと]の影[かげ]があった。

誰[だれ]かいる

えっ!!

ホームの端[はし]に人[ひと]が立っ[たっ]てる

こっちを見[み]てる気[き]がする

列車[れっしゃ]を待っ[まっ]てる人[ひと]じゃないか

動か[うごか]ない

手[て]を振っ[ふっ]てみた

...歩い[あるい]て行っ[いっ]た。もういない

どっちへ?

駅[えき]の外[そと]へ出[で]た。見え[みえ]なくなった

追いかけ[おいかけ]ないで

追いかけ[おいかけ]ない

でも列車[れっしゃ]を待つ[まつ]なら、なぜ出[で]て行っ[いっ]たんだろう

お前[おまえ]に気づい[きづい]て恥ずかしく[はずかしく]なったんじゃないか 笑[わらい]

そうかもしれない

でも、少し[すこし]変[へん]な感じ[かんじ]がした

自転車[じてんしゃ]を輪行[りんこう]袋[ふくろ]に入れ[いれ]た

よかった!!絶対[ぜったい]に乗っ[のっ]て

お疲れ[つかれ]

うん

でも今[いま]、ノートをもう一度[いちど]読ん[よん]でいる

何[なん]か新しい[あたらしい]ことがあったか?

ある

一番[いちばん]最後[さいご]のページに、別[べつ]の書き込み[かきこみ]があった

さっきは気づか[きづか]なかった

なんて書い[かい]てある

「このノートを読ん[よん]だ人[ひと]へ。あなたのことが見え[みえ]ています。それだけです。」

😨😨

...

それは誰[だれ]に向け[むけ]た言葉[ことば]だ

わからない

俺[おれ]に向け[むけ]たのかもしれない。でも前[まえ]からそこに書い[かい]てあったのかもしれない

列車[れっしゃ]が来[き]た音[おと]がする

乗っ[のっ]て!!

乗り[のり]ます

よかった😭 ゆっくり帰っ[かえっ]てきてね

お疲れ[つかれ]。帰っ[かえっ]てきたら話そう[はなそう]

うん

でも一[ひと]つだけ、まだ気[き]になることがある

なに

ノートに「青緑[あおみどり]のジャージ」と書い[かい]てあった

そうだろ

このジャージは今日[きょう]、初めて[はじめて]着[き]た

昨日[きのう]の地図[ちず]の写真[しゃしん]には写っ[うつっ]ていない

それは

説明[せつめい]できないな

そうだろ

健司[けんじ]さん、もう一人[ひとり]では行か[いか]ないで😭

...考える[かんがえる]

列車[れっしゃ]は山[やま]を出[で]て、暗い[くらい]平野[へいや]の中[なか]を走っ[はしっ]た。健司[けんじ]は窓[まど]の外[そと]を見[み]ていた。誰[だれ]かのいたずらだったかもしれない。でも、確かめる[たしかめる]ことはもうできなかった。