Το πρωί μετά τον τυφώνα, ένα άγνωστο κανό στην αμμουδιά
A2 · Nature & Adventure
健二[けんじ]は十五[じゅうご]歳[さい]で、九州[きゅうしゅう]の小さな[ちいさな]島[しま]に住ん[すん]でいました。
台風[たいふう]が来[き]た夜[よる]、風[かぜ]はとても強く[つよく]、雨[あめ]も激しく[はげしく]降り[ふり]ました。健二[けんじ]はこわくて、なかなか眠れ[ねむれ]ませんでした。
次[つぎ]の朝[あさ]、台風[たいふう]は過ぎ去り[すぎさり]ました。空[そら]は青く[あおく]晴れ[はれ]渡り[わたり]、海[うみ]は静か[しずか]になりました。でも、砂浜[すなはま]には木[き]やゴミがたくさん打ち上げ[うちあげ]られていました。
健二[けんじ]は早起き[はやおき]して、砂浜[すなはま]を歩き[あるき]ました。すると、浜[はま]の端[はし]に小さな[ちいさな]白い[しろい]舟[ふね]がありました。舟[ふね]にはどこにも名前[なまえ]がありませんでした。
「おかしいな。」健二[けんじ]はそう思い[おもい]ました。
舟[ふね]の中[なか]を見る[みる]と、古い[ふるい]ロープと小さな[ちいさな]木[き]の箱[ばこ]がありました。健二[けんじ]が箱[ばこ]を開ける[あける]と、中[なか]には古い[ふるい]コンパスが入っ[はいっ]ていました。コンパスの針[はり]はゆっくりと動き[うごき]、北[きた]を指し[さし]ました。箱[ばこ]の底[そこ]には、黄色く[きいろく]なった紙[かみ]もありました。
健二[けんじ]はその紙[かみ]を取り出し[とりだし]ました。古い[ふるい]海[うみ]の地図[ちず]でした。地図[ちず]の右下[みぎした]に、小さな[ちいさな]字[じ]でこう書い[かい]てありました。「海[うみ]は必ず[かならず]戻し[もどし]てくれる。」
健二[けんじ]はその言葉[ことば]の意味[いみ]がよくわかりませんでした。
家[いえ]に帰っ[かえっ]て父[ちち]にコンパスを見せる[みせる]と、父[ちち]はそれを手[て]に取り[とり]、長い[ながい]間[あいだ]黙り込み[だまりこみ]ました。
「これは……」父[ちち]の声[こえ]は低く[ひくく]響き[ひびき]ました。「鈴木[すずき]のおじいさんのコンパスだよ。」
鈴木[すずき]のおじいさんは、十[じゅう]年[ねん]前[まえ]に海[うみ]で行方不明[ゆくえふめい]になった漁師[りょうし]でした。
「どうして今[いま]、ここに?」健二[けんじ]が聞い[きい]ても、父[ちち]は答え[こたえ]ませんでした。ただ、コンパスをそっと机[つくえ]の上[うえ]に置き[おき]ました。
その夜[よる]、健二[けんじ]は窓[まど]から海[うみ]を見[み]ました。海[うみ]は暗く[くらく]、広く[ひろく]、深かっ[ぶかかっ]たです。台風[たいふう]がどこかから古い[ふるい]ものを運ん[はこん]できたのかもしれません。
でも、コンパスの針[はり]は今[いま]も、ゆっくりと北[きた]を指し[さし]ていました。