El secreto que protegió el herrero de espadas de Edo
A2 · History
剣[けん]蔵(けんぞう)[ぞう]の刀[かたな]が折れ[おれ]たことは、一度[いちど]もありませんでした。
江戸[えど]の町外れ[まちはずれ]に、老い[おい]た刀鍛冶[かたなかじ]・剣[けん]蔵[ぞう]の小さな[ちいさな]鍛冶場[かじば]がありました。剣[けん]蔵[ぞう]の刀[かたな]は有名[ゆうめい]でした。切れ味[きれあじ]が鋭く[するどく]、決して[けっして]折れ[おれ]ませんでした。多く[おおく]の武士[ぶし]が「剣[けん]蔵[ぞう]の刀[かたな]が欲しい[ほしい]」と言い[いい]ました。でも、剣[けん]蔵[ぞう]は一[いち]年[ねん]に一[いち]本[ぽん]しか刀[かたな]を作り[つくり]ませんでした。
剣[けん]蔵[ぞう]には若い[わかい]弟子[でし]がいました。名前[なまえ]は勇(いさむ)[いさむ]です。勇[いさむ]は三[さん]年間[ねんかん]、鍛冶場[かじば]で働き[はたらき]ました。毎朝[まいあさ]、火[ひ]を燃やし[もやし]て鉄[てつ]を叩き[たたき]ました。でも、師匠[ししょう]の一[ひと]つの秘密[ひみつ]だけはわかりませんでした。
刀[かたな]作り[つくり]の最後[さいご]に、剣[けん]蔵[ぞう]はいつも古い[ふるい]小さな[ちいさな]壺[つぼ]を取り出し[とりだし]ました。その壺[つぼ]は表面[ひょうめん]が黒く[くろく]て、とても古い[ふるい]感じ[かんじ]がしました。剣[けん]蔵[ぞう]は熱い[あつい]刀[かたな]をその中[なか]に入れ[いれ]ました。すると、刀[かたな]は特別[とくべつ]な音[おと]を出し[だし]ました。
「師匠[ししょう]、あの壺[つぼ]の中[なか]は何[なん]ですか?」ある日[ひ]、勇[いさむ]は聞き[きき]ました。剣[けん]蔵[ぞう]は首[くび]を振り[ふり]ました。「まだ教える[おしえる]時[とき]ではない。」
秋[あき]のある朝[あさ]、幕府[ばくふ]の役人[やくにん]が鍛冶場[かじば]に来[き]ました。黒田(くろだ)[くろだ]という男[おとこ]でした。顔[かお]は厳しく[きびしく]、声[こえ]は大きかっ[おおきかっ]たです。「剣[けん]蔵[ぞう]、その特別[とくべつ]な作り方[つくりかた]を幕府[ばくふ]に教えろ[おしえろ]。教え[おしえ]なければ、この鍛冶場[かじば]を閉める[しめる]。」
剣[けん]蔵[ぞう]は静か[しずか]に立っ[たっ]ていました。「申し訳[もうしわけ]ありません。この方法[ほうほう]は父[ちち]から教え[おしえ]てもらいました。誰[だれ]にも教える[おしえる]ことができません。」「幕府[ばくふ]の命令[めいれい]を断る[ことわる]のか!」黒田[くろだ]は怒り[おこり]ました。
その時[とき]、勇[いさむ]が一[いち]本[ぽん]の刀[かたな]を持っ[もっ]て前[まえ]に出[で]ました。「黒田[くろだ]様[さま]、まず、この刀[かたな]を試し[ためし]てみてください。」黒田[くろだ]は自分[じぶん]の刀[かたな]を抜き[ぬき]ました。そして、勇[いさむ]の刀[かたな]と強く[つよく]ぶつけました。黒田[くろだ]の刀[かたな]が、大きな[おおきな]音[おと]を立て[たて]て二[ふた]つに折れ[おれ]ました。
鍛冶場[かじば]は静か[しずか]になりました。黒田[くろだ]はゆっくりと折れ[おれ]た刀[かたな]を見[み]ました。長い[ながい]沈黙[ちんもく]の後[あと]、頭[あたま]を下げ[さげ]ました。「わかった。この秘密[ひみつ]は剣[けん]蔵[ぞう]が持っ[もっ]ていた方[ほう]がいい。幕府[ばくふ]はもう来[こ]ない。」黒田[くろだ]が帰っ[かえっ]た後[あと]、剣[けん]蔵[ぞう]は初めて[はじめて]笑い[わらい]ました。
その夜[よる]、剣[けん]蔵[ぞう]は勇[ゆう]に壺[つぼ]を渡し[わたし]ました。「中[なか]を見ろ[みろ]。」壺[つぼ]の中[なか]には、透明[とうめい]な水[みず]がありました。「山[やま]の奥[おく]の古い[ふるい]泉[いずみ]の水[みず]だ。私[わたくし]の父[ちち]がその泉[いずみ]を見つけ[みつけ]た。ずっと秘密[ひみつ]にしてきた。」剣[けん]蔵[ぞう]は静か[しずか]に言い[いい]ました。そして、勇[いさむ]の顔[かお]をまっすぐ見[み]ました。「お前[おまえ]が次[つぎ]の守り[まもり]人[にん]だ。」勇[いさむ]は壺[つぼ]をしっかりと持ち[もち]ました。水[みず]はとても冷たく[つめたく]、そして少し[すこし]重く[おもく]感じ[かんじ]ました。