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日本語の品詞別単語リスト:名詞 — 2,792語

2,792語 · 物語のレベル:A0–B2
収録例: と · はは · 下 · たな · こと

このリストを練習0 / 2792

と

と · to

引用または思考の内容を示す

こと · koto

物、事柄、出来事

ほかの意味: 何かをする行為または事実を表す名詞化辞 · 事実、または真実 · 人に関する事柄

ひと · hito

人;人間

ほかの意味: 人を数える助数詞 · 直前の動作を行う人を表す動作主接尾辞 · ある集団の出身者または構成員を表す接尾辞

うしろの席の人のやつ!!!

推しが隣の席の人だった件 · A1

とき · toki

~する時に

ほかの意味: 時計の時刻 · その時;それから · 人生の時期または段階

うーん、私にはわからなかった💦先月お見舞いに行ったとき、きれいだと思ってたわ。

お見舞いの花が全部偽物だった · A2

てき · teki

「-ic/-al」を意味する接尾辞;〜に関する、または〜の特徴を持つ

ほかの意味: 標的;命中させる目印

しかし今、目の前にあるのはヨーロッパのキリスト教的な場面を描いた布だ。

祇園祭の山鉾に眠る異国の布 · B2

ため · tame

目的のために;〜するために

ほかの意味: 誰かの利益またはために · 〜なので;〜に起因して

戦いを終えるためです。

五稜郭から消えた一枚の旗 · A1

うえ · ue

〜の上に;〜より上に

ほかの意味: 先行する条件または根拠を示す

ボールは つくえの うえです。

ボールを とります · A0

かい · kai

繰り返される動作や出来事を数える助数詞

ほかの意味: 試合のイニングやラウンドを数える助数詞 · 催しの開催回数を数える助数詞

せかい · sekai

世界;生きられた現実

ほかの意味: 社会または世間

え、ちょっと待って待って…二人って知り合いなんですか?すごい偶然!世界せまーい!田中さん、涼くんのことどこで知り合ったんですか?

元交際相手が自分の結婚式場を予約した · A2

ど · do

回や機会を数える助数詞

ほかの意味: 温度単位としての度 · 「二度と…ない」における再度を表す標識

ハルカは練習するたびに、田中さんのことを考えました。

合唱団が最後に選んだ誰も知らない曲 · A2

すべて · subete

すべて;あらゆるもの

ほかの意味: そのすべて;完全に · すべての(名詞の前)

しかし、その目はすべてを知っていた。

初演後に楽譜を焼いた作曲家 · B2

ママ · mama

別の動作の間も続く状態を示す

ほかの意味: 現在の状態で;現状のままで · 母

今日はじめて、パジャマのまま朝ごはん食べる。

退職代行を頼んだ翌朝 · A2

なし · nashi

〜なしで;〜を欠いて

ほかの意味: 何もない;そのようなものはない

アーカイブのデジタルファイルに「三上あかりさんはこの年度に卒業しました」って写真なしで、小さくメモを残してもいいですか?

卒業アルバムに写っていない同級生 · A2

そんざい · sonzai

存在、または実体

ほかの意味: 存在;在ること

ユキは、自分がとても小さい存在だと感じました。

知床で熊と目が合った朝 · A2

まんが · manga

漫画/コミック

ねえ颯人、倉田くんの写真さ、届いたままにしとけば?「いつか倒すべきライバル」みたいな感じで机の前に貼っといたらいいじゃん。ちょっと漫画っぽくない?笑

剣道の段位証書に他人の写真が入っていた · A2

テレビジョン · terebijon

テレビ受像機

ほかの意味: テレビ放送

あの夏、健二はテレビの前に座って、兄の勇太が甲子園の決勝で投げるのを見ていた。

甲子園の最後の一球 · B1

せってい · settei

構成、設定

遥は立ち上がり、棚から患者登録ファイルを引き出した。西村朋子、44歳。入院時の記入欄「LINEアカウントID(連絡先通知用)」に、病院の管理アカウントのIDが書かれていた。本人が入力を誤ったのか、記録転記のミスか——とにかく、このアカウントへの転送設定が残っていた。

隣の霊安室から転送されてきたLINE · B1

すぎ · sugi

指定された時刻を過ぎて

ほかの意味: 過ぎる、または経過する

水木が湯の沢温泉に着いたのは、夕方の五時過ぎだった。

古い旅館から消えた宿帳 · B1

いぜん · izen

以前;前に

ほかの意味: 前の;それ以前の

「実家に帰るとしたら新潟しかない」と、以前話してくださったことがあります。

三味線の師匠が突然失踪した · B1

シリーズ · shirīzu

関連作品のシリーズ

この『富嶽三十六景』というシリーズは、北斎が長い間夢見ていた大きな仕事だった。

葛飾北斎が諦めなかった波 · B1

そのご · sono go

その後;後で(時間を表す副詞)

ほかの意味: 後続の;後の(名詞を修飾する)

その後も、ずっと怖かったです。

二十年ぶりの手紙 · A2

はたち · hatachi

20歳

「幼いころから制作を手伝い、」「二十歳を過ぎるころには、父よりも腕が立つほどになっていたと聞いています」「橘源三郎の娘さん、ということですか」「そうです。

競売にかけられた能面の裏に刻まれた名 · B2

しんぱい · shinpai

心配している;気にかけている

ほかの意味: 〜を心配する;〜を気にかける · 心配;懸念(名詞) · 心配になる

ひょうじ · hyōji

表示インジケーター

ほかの意味: 表示された

遥はLINEを閉じ、内線で上司に電話をかけた。受話器を持つ手に、少し力が入っていた。窓の外、仙台の午後はまだ明るかった。でも画面を振り返ると、渡辺亮の最後のメッセージには「既読」の表示だけが残っていた。返事は来なかった。

隣の霊安室から転送されてきたLINE · B1

きかく · kikaku

計画;企画

えっと...藤原さんは前の会社でかなりひどい上司でした。毎日、理由もなく残業させられて。私が作ったレポートや企画も、全部藤原さんの成果として報告されてました。私の名前は一度も出なかった。だから転職したかったんです。中村さんに言わなかったのは...もう終わったことだと思ってたので。すみません。

転職先の会社に元上司がいる · A2

つもり · tsumori

何かをする意図、または計画

ほかの意味: 自分が何かをしたという思い込み

自分で出ていって、戻るつもりがない、ってこと?

三味線の師匠が突然失踪した · B1

いしき · ishiki

えー、葵。搬送中。女性は意識はっきりしてる。さっき少しだけ話してくれた。「ちゃんと届けを出してもらえるか心配だったから、自分で手配した」って言った。葵の父親に電話したのも自分だって。なんで、とは言わなかった。でも怖い顔じゃなかった。ただ、すごく疲れた顔してた。

山岳部の遭難届に自分の名前が入っていた · B1

にほんじん · nihonjin

ほかの意味: 日本の;属性として国籍を表す修飾語

ランタンの光の中、彼らはイネを見て一瞬、困惑した様子を見せた——女医師、しかも見た目が日本人とも西洋人ともつかない人物であることに。

幕末の長崎で通訳として生きた混血の女 · B2

おもさ · omosa

比喩的な重み、または重要性

ほかの意味: 物理的な重さまたは重量感

私は今まで、この重さを「逃げなければいけない理由」だと思っていた。

京町家の最後の後継ぎ · B1

せいさく · seisaku

生産または創作

「なお本面については、面打師橘節子による制作の可能性を示す資料が新たに発見されており、」「蒼月堂はその調査を進めております」会場がわずかに動いた。

競売にかけられた能面の裏に刻まれた名 · B2

みみ · mimi

ほかの意味: 聞く

翌朝、田中蓮はチャコールグレーのスウェットを脱いで、久しぶりにシャツを着た。鏡の前でフレームレスの眼鏡を直し、耳の後ろに機械式シャープペンをそっと差す。会場へ向かいながら、彼はひとつだけ決めていた——今日は、自分の言葉で話す。

五年ぶりの同窓会前夜に発覚 · B1

しどう · shidō

監督;指導

ほかの意味: 案内

「山鉾の装飾品について、きちんと調査して報告書を書いてみなさい」と指導教官に言われた澪は、初めて本格的な目でこの祭を見ることになった。

祇園祭の山鉾に眠る異国の布 · B2

あな · ana

穴、または開口部

レンはデニムジャケットの内側に時間割を折りたたんで入れた。工事現場のフェンス越しに、崩れかけた壁の穴が夕日に照らされていた。何十年も誰も読まなかった名前が、今日だけ光の中にあった。

廃校の時間割に名前があった · B1

おもて · omote

封筒の表面

残業を終えた美雪がマンションに戻ると、郵便受けの中に茶色いクッション封筒が一通あった。表には美雪の名前と住所が丁寧な手書き文字で記されていたが、差出人の欄はからっぽだった。部屋に入って開けると、中から薄黄色の古いノートが出てきた。表紙に貼られた色褪せた花のシールを見た瞬間、美雪の手が止まった。

二十年ぶりに届いた交換日記 · B1

ほうこくしょ · hōkokusho

報告

「山鉾の装飾品について、きちんと調査して報告書を書いてみなさい」と指導教官に言われた澪は、初めて本格的な目でこの祭を見ることになった。

祇園祭の山鉾に眠る異国の布 · B2

かいせつしゃ · kaisetsusha

解説者が静かな声で「棄権となりました」と告げた瞬間、隣に立っていた父親が何も言わずにその場を離れたのを、宮本は今でも鮮明に覚えている。

箱根駅伝で棄権を拒んだ四区のランナー · B2

びょうき · byōki

病気;疾病(名詞)

ほかの意味: 病気であること(述語用法) · 病気の;具合が悪い(名詞を修飾する語)

父の病気はよくなった。

天狗が守る峠の三つの掟 · A2

ぎょうむよう · gyōmuyō

業務用に

田口遥は昼休みあけの書類整理をしながら、業務用LINEアカウントを開いた。見知らぬ名前の通知が一件。誤送信だろうと思いながらタップした。

隣の霊安室から転送されてきたLINE · B1

ぶんかさい · bunkasai

学校の文化祭

もう!よかった〜!レン、ありがとうね。三ヶ月、すごいよ。文化祭、楽しみにしてる!

文化祭の脚本が盗まれた · A1

しりょう · shiryō

資料または書類

ほかの意味: 証拠または裏付けとなる情報

月次の資料、まだ受け取っていません。

退職代行を頼んだ翌朝 · A2

デジタル · dejitaru

ほかの意味: デジタルで

アーカイブのデジタルファイルに「三上あかりさんはこの年度に卒業しました」って写真なしで、小さくメモを残してもいいですか?

卒業アルバムに写っていない同級生 · A2

おかあさん · okāsan

母、お母さん(照応名詞)

ほかの意味: お母さん(呼格)

おかあさんはきます。

あかい え · A0

とどけ · todoke

公式通知または届出

えー、葵。搬送中。女性は意識はっきりしてる。さっき少しだけ話してくれた。「ちゃんと届けを出してもらえるか心配だったから、自分で手配した」って言った。葵の父親に電話したのも自分だって。なんで、とは言わなかった。でも怖い顔じゃなかった。ただ、すごく疲れた顔してた。

山岳部の遭難届に自分の名前が入っていた · B1

ていこう · teikō

聴いてくれる人が、どこかにいるはずだと思って」六月二十三日、組織的な抵抗が終わった後も、多くの人がまだ壕に残っていた。

沖縄の地下壕で書き残された楽譜 · B2

ぜんご · zengo

前後に

あの、健二さん。変なことを言うようですが、聞いてほしくて。私とお父さんは、高校生のとき、少しの間、付き合っていたことがあります。大学受験の前後のほんの短い時間でした。お父さんが金沢に行くことが決まって、私は砺波に残ることにして、それで自然に終わりになりました。ずっと普通の友人としてつきあってきたんですが、こういうこと、言っていいのかどうか、ずいぶん迷いました。お母さんのことを、お父さんはとても大切にしていた、それは本当だと思っています。

亡き父の携帯に今もメッセージが届く · B1

バイク · baiku

自転車

田中健司は昨夜から一人でロードバイクを走らせていた。今日のルートは山の中の細い国道を北へ向かうものだった。小さな無人駅を見つけて、少し休もうと自転車を止めた。駅舎の中に入ると、木のベンチと古い駅ノートがあった。何気なくページをめくると、今日の日付の書き込みが目に入った。

無人駅の駅ノートに今日の日付で書き込みがある · A2

わかれ · wakare

ほかの意味: 分離

あの…美雪、聞こえてる?お母さんね、本当に、申し訳なかったと思ってる。木下さんと話したとき、さくらちゃんがずっと美雪のことを心配してたって聞いて、つい話してしまったの。さくらちゃんはあの引越しのこと、今もずっと気にしてるって。急にお父さんの転勤が決まって、お別れも言えないまま引越しになったって。だから…美雪に謝りたかったんだって。

二十年ぶりに届いた交換日記 · B1

あかちゃん · akachan

さくらはソファに座ったまま、スマホをテーブルに置いた。クリーム色のニットの袖口をゆっくり引っ張りながら、天井を見上げた。怖い。本当に怖い。でも、みおさんが送ってきたあのあせたニット帽の写真が、頭から離れなかった。どちらの赤ちゃんのものだったんだろう、とずっと考えながら。

同じ日に同じ病院で生まれた他人から連絡が来た · B1

ちく · chiku

地区;地域

ただ、あの地区の皆さんは吉岡さんのことがとても大切で、何十年も一人なのに毎日誰かが顔を出してたって聞いています

移住先の村に幽霊がいるらしい · B1

にゅうりょく · nyūryoku

データ入力

遥は立ち上がり、棚から患者登録ファイルを引き出した。西村朋子、44歳。入院時の記入欄「LINEアカウントID(連絡先通知用)」に、病院の管理アカウントのIDが書かれていた。本人が入力を誤ったのか、記録転記のミスか——とにかく、このアカウントへの転送設定が残っていた。

隣の霊安室から転送されてきたLINE · B1

かいはつぎょうしゃ · kaihatsu gyōsha

不動産開発業者

村議会が、大手開発業者に湖の周辺土地を売却する計画を進めているというのだ。

龍神が守る湖に沈んだ村の鐘 · B2

こし · koshi

腰、またはウエスト(座るために下ろす部分)

ほかの意味: 腰を下ろす

「まあ、しょうがない」と心の中で思い、反対側の席に腰を下ろした。

三十年間、同じ席に座り続けた男 · B1

プール · pūru

翌日の練習で、リクはプールに入りながら一番端のレーンを見た。水木先輩がいつも一番速く泳いでいたレーン。今日も空のままだった。でも、少しだけ違う気持ちで見ることができた。

誰も知らない先輩の引退理由 · A2

ちょくご · chokugo

直後の時間

娘の明日香と取り返しのつかない言い争いをした直後のことで、彼女は大学入学を機に家を出ていった。

初演後に楽譜を焼いた作曲家 · B2

しょくいんしつ · shokuinshitsu

北岳の頂上から見下ろす甲府盆地の広がり、間ノ岳の広大な山頂台地、農鳥小屋の無愛想な小屋番のおじさんが淹れてくれた温かいコーヒー——すべてが鮮やかで、日常の職員室とは完全に別の世界だった。

南アルプスを単独縦走した女教師の夏休み · B2

ごうかく · gōkaku

合格した、または資格を得た;述語

ほかの意味: 通過または受け入れ;名詞修飾語

ひとこと · hitokoto

発言、または台詞

ほかの意味: 短いメッセージ · 一語

隼は画面を閉じた。部屋は静かだった。でも、no14truthのメッセージはまだそこに残っていた。「健太のことを、一度ちゃんと見てほしかった。」その一言だけが、頭の中で消えなかった。

甲子園の前日に届いたDM · A2

いしゃ · isha

医師

お医者さんが少し休めって言うから、あなたに来てもらったんよ」でも春花は、澄子の顔を見て「大丈夫ではないかもしれない」と思った。

京町家の最後の後継ぎ · B1

じゅうでん · jūden

充電用の、充電するための

遺品整理がひと段落して、健二はソファに腰を下ろした。机の端に、充電ケーブルを差したままの父の古いスマートフォンがある。処分するつもりが、なんとなく充電し続けていた。ふと気づくと、画面が光っていた。

亡き父の携帯に今もメッセージが届く · B1

キャリア · kyaria

職歴、経歴

作曲家として二十年のキャリアを持つ誠一は、批評家から「技術的には完璧だが、感情に乏しい」と評されることが多かった。

初演後に楽譜を焼いた作曲家 · B2

せいか · seika

業績

えっと...藤原さんは前の会社でかなりひどい上司でした。毎日、理由もなく残業させられて。私が作ったレポートや企画も、全部藤原さんの成果として報告されてました。私の名前は一度も出なかった。だから転職したかったんです。中村さんに言わなかったのは...もう終わったことだと思ってたので。すみません。

転職先の会社に元上司がいる · A2

けいトラック · kei torakku

橋本です。入口の駐車場に着きました。お父さんの軽トラがあります。車の横に長靴が片方だけ落ちていて…少し様子がおかしいです。車の中には誰もいません。もう少し奥に入ってみます。

猟師の父から届く位置情報だけ · A2

きゅう · kyū

投球を数える助数詞

ほかの意味: 野球の投球 · 投げられたボール

しかし最終回、勇太は一球を投げ、それがホームランになってしまった。

甲子園の最後の一球 · B1

どうじ · dōji

同時に。並行して

ほかの意味: 「~と同時に」の構文で使う時間名詞

でも、同時に、ユキは何か特別なものを感じました。

知床で熊と目が合った朝 · A2

せけん · seken

社会;世間

「当時は、若い男女が二人で旅をすることは、世間からあまりよく見られませんでした。

古い旅館から消えた宿帳 · B1

すうがく · sūgaku

えっと...ちゃんと言います。届いた答案を見たら、すごくきれいな解答で。英語も数学も、ぼくより全然できてて。なんか、怖くなったんです。どこかにこんなにできる人がいるんだって。それで...余計に言い出せなくて。本当にごめんなさい。

全国模試の自分の解答用紙が別の高校にある · A2

がいこくさん · gaikokusan

外国製の

「何が外国産で何が国産かという区別にこだわっとったら、」「これほど豊かな祭にはならなかったと思います」澪は再び布に目を向けた。

祇園祭の山鉾に眠る異国の布 · B2

らん · ran

フォーム欄

ほかの意味: 予定表の記入欄 · 出版物の欄またはセクション

遥は目を閉じた。緊急連絡先の欄にも誤りが入っていた可能性がある。最悪のミスだ。

隣の霊安室から転送されてきたLINE · B1

コレクション · korekushon

鍵はかかっておらず、蓋を開けると、そこには祖母が若い頃に書いた手紙や、色が褪せた切手のコレクション、そして一枚の白黒写真が収められていた。

見合い写真の裏に書かれた別の名前 · B2

レポート · repōto

報告、または書面による文書

えっと...藤原さんは前の会社でかなりひどい上司でした。毎日、理由もなく残業させられて。私が作ったレポートや企画も、全部藤原さんの成果として報告されてました。私の名前は一度も出なかった。だから転職したかったんです。中村さんに言わなかったのは...もう終わったことだと思ってたので。すみません。

転職先の会社に元上司がいる · A2

ケーブル · kēburu

充電ケーブル

遺品整理がひと段落して、健二はソファに腰を下ろした。机の端に、充電ケーブルを差したままの父の古いスマートフォンがある。処分するつもりが、なんとなく充電し続けていた。ふと気づくと、画面が光っていた。

亡き父の携帯に今もメッセージが届く · B1

ぼうし · bōshi

帽子、キャップ

隼は帽子をかぶって、ロッカールームを出た。外は明るかった。甲子園の空は青かった。

甲子園の前日に届いたDM · A2

スカート · sukāto

春子は濃紺のスカートとアイボリーのタートルネックに着替え、折りたたんだ地図をハンドバッグに入れた。玄関前で恵子と合流し、二人は栗林公園へ歩いた。

引越し先の壁に隠されていた地図 · A2

しゅうかん · shūkan

七十八歳の田中は、定年退職してもう十三年が経つにもかかわらず、毎朝八時きっかりに家を出て、川沿いの遊歩道を二十分歩き、商店街を抜け、郵便局の前を通って公園のベンチに座るという習慣を続けていた。

六十年間同じ道を歩いた男が初めて曲がった角 · B2

なつやすみ · natsuyasumi

それが何かを確かめたくて——あるいは、その現実から逃げ出したくて——ゆかりは夏休みに入ると同時に、重いザックを背負って広河原のバスターミナルに立っていた。

南アルプスを単独縦走した女教師の夏休み · B2

さっきょくか · sakkyokuka

作曲家として二十年のキャリアを持つ誠一は、批評家から「技術的には完璧だが、感情に乏しい」と評されることが多かった。

初演後に楽譜を焼いた作曲家 · B2

しょうがい · shōgai

一生(名詞)

ほかの意味: 生涯において(時間を表す用法)

祖母は後に別の男性と結婚し、普通の主婦として生涯を終えた。

古い旅館から消えた宿帳 · B1

さいちゅう · saichū

~の真ん中に

岡崎誠一が自分の音楽に何かを「言わせてしまった」と気づいたのは、初演の夜、ホールの暗がりの中でオーケストラの演奏を聴いている最中だった。

初演後に楽譜を焼いた作曲家 · B2

テキスト · tekisuto

書かれた文章

遥は画面をスクロールした。「朋子」? このアカウントは病院の管理用だ。アカウント情報の表示名を確認すると、テキストの下に小さく「西村朋子」という文字があった。

隣の霊安室から転送されてきたLINE · B1

ゆうびんきょく · yūbinkyoku

七十八歳の田中は、定年退職してもう十三年が経つにもかかわらず、毎朝八時きっかりに家を出て、川沿いの遊歩道を二十分歩き、商店街を抜け、郵便局の前を通って公園のベンチに座るという習慣を続けていた。

六十年間同じ道を歩いた男が初めて曲がった角 · B2

パーカ · pāka

パーカー

レンの町の小学校は今月で解体工事が終わる予定だった。日曜で工事が止まっている午後、レンはグレーのパーカーにデニムジャケットを羽織って、フェンスのそばをぶらついていた。外壁の一部が崩れた場所のそばに、古い紙が何枚か地面に落ちているのが見えた。

廃校の時間割に名前があった · B1

みやげ · miyage

屋久杉の木片は、お土産や記念品として売れるため、こっそり持ち去る人がいるという話は聞いたことがあった。

屋久島の千年杉を守る男 · B1

たより · tayori

頼りになる支援

ほかの意味: 依存

「沙希はあのとき本当に助かった、実行委員で一番頼りになった」って書いてあった。

五年ぶりの同窓会前夜に発覚 · B1

ふるさと · furusato

手紙の宛先は、故郷の父、田中源兵衛――六十を過ぎた今も、徳川の治世こそが天下の正道だと信じて疑わない、生涯一度も江戸の外に出たことのない男だ。

黒船来航の前夜に書かれた手紙 · B2

しょうばい · shōbai

商売、貿易

終戦後は米軍の払い下げ品として闇市にも出回っていたが、清は父の形見のような気がして、自分の商売には使う気になれなかったのだ。

戦後の闇市で生まれたソース焼きそば · B2

クリーム · kurīmu

クリーム色(淡い黄色がかった色)

さくらはソファに座ったまま、スマホをテーブルに置いた。クリーム色のニットの袖口をゆっくり引っ張りながら、天井を見上げた。怖い。本当に怖い。でも、みおさんが送ってきたあのあせたニット帽の写真が、頭から離れなかった。どちらの赤ちゃんのものだったんだろう、とずっと考えながら。

同じ日に同じ病院で生まれた他人から連絡が来た · B1

かわぞい · kawazoi

川沿い;川に沿って

七十八歳の田中は、定年退職してもう十三年が経つにもかかわらず、毎朝八時きっかりに家を出て、川沿いの遊歩道を二十分歩き、商店街を抜け、郵便局の前を通って公園のベンチに座るという習慣を続けていた。

六十年間同じ道を歩いた男が初めて曲がった角 · B2

はなよめ · hanayome

花嫁

健斗は新しい予約のファイルを開いた。来年3月の結婚式。花嫁の名前:森田麻衣。花婿の名前:高木涼。健斗は画面を見て、しばらく動けなかった。

元交際相手が自分の結婚式場を予約した · A2

こくさん · kokusan

国内で生産された

「何が外国産で何が国産かという区別にこだわっとったら、」「これほど豊かな祭にはならなかったと思います」澪は再び布に目を向けた。

祇園祭の山鉾に眠る異国の布 · B2

かたほう · katahō

一対のうちの一つ

橋本です。入口の駐車場に着きました。お父さんの軽トラがあります。車の横に長靴が片方だけ落ちていて…少し様子がおかしいです。車の中には誰もいません。もう少し奥に入ってみます。

猟師の父から届く位置情報だけ · A2

ちらし · chirashi

広告チラシ

義雄はシャッターの前に立った。錠はかかっている。郵便受けを覗くと、チラシに混じって消費者金融会社の名前が入った封筒が一枚ある。胸が重くなった。ドアノブを見ると、見覚えのある小さな鍵が細い紐でかかっていた。先生がいつも持ち歩いていた合鍵だ。

三味線の師匠が突然失踪した · B1

グラフィック · gurafikku

グラフィックデザイン

グラフィックの仕事はパソコンさえあればどこでもできるから」澄子は少し驚いた顔をした。

京町家の最後の後継ぎ · B1

てんか · tenka

領域

手紙の宛先は、故郷の父、田中源兵衛――六十を過ぎた今も、徳川の治世こそが天下の正道だと信じて疑わない、生涯一度も江戸の外に出たことのない男だ。

黒船来航の前夜に書かれた手紙 · B2

けはい · kehai

しるし、または存在

ほかの意味: 雰囲気または気分

潮の匂いに混じって、何か違うものの気配がした――煙か、それとも自分の錯覚か。

黒船来航の前夜に書かれた手紙 · B2

そうしょくひん · sōshokuhin

装飾品;飾り

「山鉾の装飾品について、きちんと調査して報告書を書いてみなさい」と指導教官に言われた澪は、初めて本格的な目でこの祭を見ることになった。

祇園祭の山鉾に眠る異国の布 · B2

よそ · yoso

ほかの人々のところへ

本人には絶対言わないのに、よそでは自慢する(笑)高校のときも、好きな人ができると一番遠い相手にだけ話しかけるような人で。

亡き父の携帯に今もメッセージが届く · B1

タップ · tappu

画面をタップする

田口遥は昼休みあけの書類整理をしながら、業務用LINEアカウントを開いた。見知らぬ名前の通知が一件。誤送信だろうと思いながらタップした。

隣の霊安室から転送されてきたLINE · B1

じょう · jō

鍵をかける

義雄はシャッターの前に立った。錠はかかっている。郵便受けを覗くと、チラシに混じって消費者金融会社の名前が入った封筒が一枚ある。胸が重くなった。ドアノブを見ると、見覚えのある小さな鍵が細い紐でかかっていた。先生がいつも持ち歩いていた合鍵だ。

三味線の師匠が突然失踪した · B1

さいご · saigo

人生の最期に

あの...うん...怒ろうとしてたんだけど...なんか...写真見たら...お母さん、ミルク苦しまなかった?眠ってるみたいだった?...あいつほんと甘えん坊だったから...最期、お母さんのそばにいられてよかったと思う...うん...ありがとう

ペットの訃報を知らせ忘れた三週間 · B1

しょうにん · shōnin

「どうやって日本に来たんですか」「室町から江戸の時代にかけて、堺や京都の商人たちが」「ポルトガル船やオランダ船から買い付けたんです。」

祇園祭の山鉾に眠る異国の布 · B2

せいそう · seisō

片付け

えっとね、去年の十月か十一月くらいかな。なんか、地元の公園の清掃イベントに参加したって書いてて、あー、蓮くんって優しいんだなって思ってたの。で、コメントしたら、あたしのこと覚えてるって言って——あの文化祭のとき楽しかったよねって。ほら、三年のとき一緒に実行委員やったじゃん。細かいとこまで覚えてて、普通に蓮くんだと思ったんだよね。ごめん、なんか、気持ち悪いね、これ。

五年ぶりの同窓会前夜に発覚 · B1

にしき · nishiki

錦織

「インドから渡ってきた更紗も、中国の金糸で織った錦も、」「みんな祇園祭の鉾の上に載っとります」澪はメモを取る手を止めた。

祇園祭の山鉾に眠る異国の布 · B2

ほお · hō

隼はホテルのベッドに座っていた。刈り上げた頭に部屋の白い光が当たり、日焼けした頬が暗い中で少し赤く見えた。右手首の白いテープを指でなぞった。体は疲れているのに、眠れなかった。そのとき、スマホが鳴った。

甲子園の前日に届いたDM · A2

ひっこし · hikkoshi

引っ越し、転居

引越しの前日、花は「また明日ね」と言いました。

二十年ぶりの手紙 · A2

レーン · rēn

水泳レーン

翌日の練習で、リクはプールに入りながら一番端のレーンを見た。水木先輩がいつも一番速く泳いでいたレーン。今日も空のままだった。でも、少しだけ違う気持ちで見ることができた。

誰も知らない先輩の引退理由 · A2

たたみ · tatami

ほかの意味: 畳敷きの部屋の広さを表す助数詞

築百五十年の町家の玄関を開けると、古い木と畳のにおいがした。

京町家の最後の後継ぎ · B1

クッション · kusshon

詰め物;パッド

残業を終えた美雪がマンションに戻ると、郵便受けの中に茶色いクッション封筒が一通あった。表には美雪の名前と住所が丁寧な手書き文字で記されていたが、差出人の欄はからっぽだった。部屋に入って開けると、中から薄黄色の古いノートが出てきた。表紙に貼られた色褪せた花のシールを見た瞬間、美雪の手が止まった。

二十年ぶりに届いた交換日記 · B1

すいそう · suisō

水族館または魚の水槽

難しいです夜の九時になります縁日はもうすぐ終わりです水槽に金魚が一匹だけいます小さくて赤い金魚ですだれも来ません

縁日で売れ残った金魚 · A1

かいとう · kaitō

書面での回答;解答

えっと...ちゃんと言います。届いた答案を見たら、すごくきれいな解答で。英語も数学も、ぼくより全然できてて。なんか、怖くなったんです。どこかにこんなにできる人がいるんだって。それで...余計に言い出せなくて。本当にごめんなさい。

全国模試の自分の解答用紙が別の高校にある · A2

きんぎょ · kingyo

金魚がたくさんいますみんな縁日の金魚ですおじさんは笑います金魚も元気に泳ぎます

縁日で売れ残った金魚 · A1

きょうかん · kyōkan

指導者、または教師

「山鉾の装飾品について、きちんと調査して報告書を書いてみなさい」と指導教官に言われた澪は、初めて本格的な目でこの祭を見ることになった。

祇園祭の山鉾に眠る異国の布 · B2

ロッカールーム · rokkā rūmu

更衣室

隼は帽子をかぶって、ロッカールームを出た。外は明るかった。甲子園の空は青かった。

甲子園の前日に届いたDM · A2

ちょうみりょう · chōmiryō

調味料;味付け

戦前、父の中華料理屋では洋食の要素を取り入れたメニューがあり、このウスターソースは特別な場面にだけ使う調味料だった。

戦後の闇市で生まれたソース焼きそば · B2

ていねんたいしょく · teinentaishoku

七十八歳の田中は、定年退職してもう十三年が経つにもかかわらず、毎朝八時きっかりに家を出て、川沿いの遊歩道を二十分歩き、商店街を抜け、郵便局の前を通って公園のベンチに座るという習慣を続けていた。

六十年間同じ道を歩いた男が初めて曲がった角 · B2

ちょうじょう · chōjō

首脳会議;頂上

北岳の頂上から見下ろす甲府盆地の広がり、間ノ岳の広大な山頂台地、農鳥小屋の無愛想な小屋番のおじさんが淹れてくれた温かいコーヒー——すべてが鮮やかで、日常の職員室とは完全に別の世界だった。

南アルプスを単独縦走した女教師の夏休み · B2

きにゅうらん · kinyūran

入力欄

遥は立ち上がり、棚から患者登録ファイルを引き出した。西村朋子、44歳。入院時の記入欄「LINEアカウントID(連絡先通知用)」に、病院の管理アカウントのIDが書かれていた。本人が入力を誤ったのか、記録転記のミスか——とにかく、このアカウントへの転送設定が残っていた。

隣の霊安室から転送されてきたLINE · B1

オーケストラ · ōkesutora

岡崎誠一が自分の音楽に何かを「言わせてしまった」と気づいたのは、初演の夜、ホールの暗がりの中でオーケストラの演奏を聴いている最中だった。

初演後に楽譜を焼いた作曲家 · B2

あらわれ · araware

現れ;表現

当時の京都の商人たちにとって、」「世界中から良いものを集めて自分たちの祭に使うこと——」「それ自体が美意識の表れやったんやないですか。」

祇園祭の山鉾に眠る異国の布 · B2

くうはく · kūhaku

不在の隙間、または期間

美雪はグループチャットを閉じて、古い日記をもう一度手に取った。最後のページに書かれた小さなIDを、静かに画面に打ち込んだ。二十年分の空白が、少し、動き始めた気がした。

二十年ぶりに届いた交換日記 · B1

だせき · daseki

バッターボックス

しかし、相手の東海高校のクリーンアップバッターが打席に入ってきた。

甲子園の最後の一球 · B1

いちどう · ichidō

一同(敬称を伴う呼びかけ)

ほかの意味: 全員が一体となって

田中家ご一同様、先日はお越しいただきありがとうございました。

納骨堂の番号が一つ足りない · B1

クライマックス · kuraimakkusu

物語や公演のクライマックス

高座から師匠の声が聞こえてくる。「芝浜」のクライマックス——女房が夫に本当のことを打ち明ける場面だ。いつもより声が、少し低い。

落語の高座で師匠が別の名前を名乗った · B1

エプロン · epuron

春子はバッグからキャンバスのエプロンを取り出して、病院の廊下でたたみ直した。それからエレベーターに乗った。

お見舞いの花が全部偽物だった · A2

てんぐ · tengu

天狗(日本の伝説上の生き物)

高い山の峠を越えるとき、天狗が旅人に三つの掟を守らせるという話だ。

天狗が守る峠の三つの掟 · A2

アイデンティティ · aidentiti

アイデンティティ;同一性

彼女は自分のアイデンティティを隠したのではなく、芸術のために新しい名前を創造したのだと、ようやく自分自身を許すことができたのである。

大正の女性画家が男の名で発表し続けた十五年間 · B2

おしえご · oshiego

ある人に教わった学生

今では彼の教え子たちが新しいガイドになり、同じメッセージを次の世代に伝えている。

屋久島の千年杉を守る男 · B1

せいご · seigo

出生後;(所定の期間を)経過した年齢

あのね、末永さんに古い台帳を見せてもらって。「田中 愛」っていう名前、昭和47年の3月に生まれて、5月に亡くなってる。生後ふた月。お父さんとお母さんの名前でちゃんと登録されてた。……たぶん、私たちのきょうだいだよ。

納骨堂の番号が一つ足りない · B1

おおさじ · ōsaji

大さじ

えっとね、たぶん卵が4個で、砂糖が大さじ2くらいで...あと白い何か入れてたよ。みりんだっけ。ちょっと待って。おばあちゃんが台所で教えてくれたの、私まだ小学生のときだったから...うーん、塩も少し入れてた気がする

母のレシピが全部消えた夜 · A2

はなむこ · hanamuko

花婿

健斗は新しい予約のファイルを開いた。来年3月の結婚式。花嫁の名前:森田麻衣。花婿の名前:高木涼。健斗は画面を見て、しばらく動けなかった。

元交際相手が自分の結婚式場を予約した · A2

がいへき · gaiheki

レンの町の小学校は今月で解体工事が終わる予定だった。日曜で工事が止まっている午後、レンはグレーのパーカーにデニムジャケットを羽織って、フェンスのそばをぶらついていた。外壁の一部が崩れた場所のそばに、古い紙が何枚か地面に落ちているのが見えた。

廃校の時間割に名前があった · B1

おかあさま · okāsama

母(敬称)

お待たせいたしました。確認いたしましたところ、当施設の記録では、お母様のお名前は「C棟41番」に登録されております。

納骨堂の番号が一つ足りない · B1

えんぽう · enpō

遠い場所

詳しいことはお伝えできないのですが、先生は今、遠方にいて、ご家族の事情で急に動けなくなった状況とのことです。体は大丈夫だそうです

推薦状を書いてくれた教授が失踪した · B1

デニム · denimu

デニム生地

レンはデニムジャケットの内側に時間割を折りたたんで入れた。工事現場のフェンス越しに、崩れかけた壁の穴が夕日に照らされていた。何十年も誰も読まなかった名前が、今日だけ光の中にあった。

廃校の時間割に名前があった · B1

まんじゅう · manjū

甘いパン

今日、近所の神社の近くを通ったら、澪が好きだったまんじゅう屋が閉まってた。それだけ。

47日間、既読がつかない · B1

やまやま · yamayama

山々

村の中心にある「鏡ヶ湖」だけが、昔と同じように、周囲の山々を映し出しながら静かに光を反射していた。

龍神が守る湖に沈んだ村の鐘 · B2

すいげん · suigen

大学で民俗学を少しかじった彼女には、龍神伝説とは村の貴重な水源である湖を守るために、先人たちが作った戒めのようなものだろうという見方のほうがしっくりきた。

龍神が守る湖に沈んだ村の鐘 · B2

キャンバス · kyanbasu

キャンバス地

春子はバッグからキャンバスのエプロンを取り出して、病院の廊下でたたみ直した。それからエレベーターに乗った。

お見舞いの花が全部偽物だった · A2

きけん · kiken

競技会からの撤退

解説者が静かな声で「棄権となりました」と告げた瞬間、隣に立っていた父親が何も言わずにその場を離れたのを、宮本は今でも鮮明に覚えている。

箱根駅伝で棄権を拒んだ四区のランナー · B2

みんぞくがく · minzokugaku

民俗学研究

大学で民俗学を少しかじった彼女には、龍神伝説とは村の貴重な水源である湖を守るために、先人たちが作った戒めのようなものだろうという見方のほうがしっくりきた。

龍神が守る湖に沈んだ村の鐘 · B2

ゆうやけ · yūyake

夕焼けの輝き

葵はウィンドブレーカーのファスナーを少し下げた。廊下に出ると、夕焼けが山の稜線を橙色に染めていた。スマートフォンの画面に番号が届いていた。知らない番号。だけど、知っている人。

山岳部の遭難届に自分の名前が入っていた · B1

いましめ · imashime

警告、または訓戒

大学で民俗学を少しかじった彼女には、龍神伝説とは村の貴重な水源である湖を守るために、先人たちが作った戒めのようなものだろうという見方のほうがしっくりきた。

龍神が守る湖に沈んだ村の鐘 · B2

しょえん · shoen

岡崎誠一が自分の音楽に何かを「言わせてしまった」と気づいたのは、初演の夜、ホールの暗がりの中でオーケストラの演奏を聴いている最中だった。

初演後に楽譜を焼いた作曲家 · B2

まどぎわ · madogiwa

窓のそばで

あのさ、何もなかったんだけど…窓際に古い椅子が一脚あって、その窓枠にガラスのコップが置いてあったんだよね。水が入ってて、きれいなの。埃とかぜんぜんなくて、昨日誰かが置いたみたいな感じで。写真撮ったから見て。

移住先の村に幽霊がいるらしい · B1

ようしょく · yōshoku

西洋風の食べ物

戦前、父の中華料理屋では洋食の要素を取り入れたメニューがあり、このウスターソースは特別な場面にだけ使う調味料だった。

戦後の闇市で生まれたソース焼きそば · B2

ブラウス · burausu

美佐子は淡い灰色のブラウスを着て、C棟41番の前に立った。ひんやりした石の廊下の奥に、小さな扉。その前に、枯れかけた小菊が一輪、静かに置いてある。

納骨堂の番号が一つ足りない · B1

はらいさげ · haraisage

余剰品として公式に売却された

終戦後は米軍の払い下げ品として闇市にも出回っていたが、清は父の形見のような気がして、自分の商売には使う気になれなかったのだ。

戦後の闇市で生まれたソース焼きそば · B2

だんらく · danraku

和解、または決着の時点

遺品整理がひと段落して、健二はソファに腰を下ろした。机の端に、充電ケーブルを差したままの父の古いスマートフォンがある。処分するつもりが、なんとなく充電し続けていた。ふと気づくと、画面が光っていた。

亡き父の携帯に今もメッセージが届く · B1

バッター · battā

しかし、相手の東海高校のクリーンアップバッターが打席に入ってきた。

甲子園の最後の一球 · B1

えきしゃ · ekisha

田中健司は昨夜から一人でロードバイクを走らせていた。今日のルートは山の中の細い国道を北へ向かうものだった。小さな無人駅を見つけて、少し休もうと自転車を止めた。駅舎の中に入ると、木のベンチと古い駅ノートがあった。何気なくページをめくると、今日の日付の書き込みが目に入った。

無人駅の駅ノートに今日の日付で書き込みがある · A2

うろおぼえ · urooboe

曖昧な記憶

あのさ、これ俺の親から聞いた話なんだけど。吉田さんのご主人てさ、昔、浩志のお父さんの同僚だったんだよね。で、その人が早くに亡くなって、奥さんが一人になったって。浩志のお父さんがずっと気にしてたって話、昔うちの親が言ってたような…うろ覚えだけど

父が毎週通っていた喫茶店が実在しない · B1

せいれつ · seiretsu

整列;隊形

しばらくして、整列が終わり、みんなで引き上げるとき、健二はもう一度甲子園のマウンドを見た。

甲子園の最後の一球 · B1

びいしき · biishiki

美的感覚

当時の京都の商人たちにとって、」「世界中から良いものを集めて自分たちの祭に使うこと——」「それ自体が美意識の表れやったんやないですか。」

祇園祭の山鉾に眠る異国の布 · B2

じせい · jisei

自生の;在来の(修飾語)

ほかの意味: 自然成長;野生で育つこと

絶滅危惧種の自生地が公開された途端に消えてしまった事例を、梓はいくつも知っていた。

奥多摩の廃村に咲いた絶滅危惧の花 · B2

きんせい · kinsei

禁止された;禁じられた

しかし彼女がまだ幼い頃、父は禁制の日本地図を持ち出そうとしたとして国外に追放され、以来、二度と娘の顔を見ることはなかった。

幕末の長崎で通訳として生きた混血の女 · B2

しきじょう · shikijō

式典会場

凛は廊下の窓の前に立って外を見た。青空。式場の庭に白い椅子が並んでいる。招待客がそろそろ席につき始めていた。

姉の結婚式当日に式場から消えた · B1

みどく · midoku

未読の

三通の未読メッセージ。一番古いのは先週の木曜日、一番新しいのは今日の昼だ。スクロールすると、「梢」という名前からのメッセージが何ヶ月分も遡って続いている。全部、既読がついていない。

亡き父の携帯に今もメッセージが届く · B1

あてさき · atesaki

手紙の宛名人

手紙の宛先は、故郷の父、田中源兵衛――六十を過ぎた今も、徳川の治世こそが天下の正道だと信じて疑わない、生涯一度も江戸の外に出たことのない男だ。

黒船来航の前夜に書かれた手紙 · B2

きんぎょすくい · kingyo sukui

金魚すくい

縁日があります屋台がたくさんありますたこ焼きりんご飴そして金魚すくい金魚すくいの水槽に金魚が二十匹います子どもたちは水槽を見ます目が

縁日で売れ残った金魚 · A1

あまえんぼう · amaenbō

甘えん坊で甘やかされた人

あの...うん...怒ろうとしてたんだけど...なんか...写真見たら...お母さん、ミルク苦しまなかった?眠ってるみたいだった?...あいつほんと甘えん坊だったから...最期、お母さんのそばにいられてよかったと思う...うん...ありがとう

ペットの訃報を知らせ忘れた三週間 · B1

えんにち · ennichi

寺の縁日

夏の夜です神社で縁日があります屋台がたくさんありますたこ焼きりんご飴そして金魚すくい

縁日で売れ残った金魚 · A1

ちせい · chisei

統治する、支配する

手紙の宛先は、故郷の父、田中源兵衛――六十を過ぎた今も、徳川の治世こそが天下の正道だと信じて疑わない、生涯一度も江戸の外に出たことのない男だ。

黒船来航の前夜に書かれた手紙 · B2

ハンドバッグ · handobaggu

春子は濃紺のスカートとアイボリーのタートルネックに着替え、折りたたんだ地図をハンドバッグに入れた。玄関前で恵子と合流し、二人は栗林公園へ歩いた。

引越し先の壁に隠されていた地図 · A2

ないせん · naisen

電話内線

遥はLINEを閉じ、内線で上司に電話をかけた。受話器を持つ手に、少し力が入っていた。窓の外、仙台の午後はまだ明るかった。でも画面を振り返ると、渡辺亮の最後のメッセージには「既読」の表示だけが残っていた。返事は来なかった。

隣の霊安室から転送されてきたLINE · B1

ぼんち · bonchi

地理的な盆地

北岳の頂上から見下ろす甲府盆地の広がり、間ノ岳の広大な山頂台地、農鳥小屋の無愛想な小屋番のおじさんが淹れてくれた温かいコーヒー——すべてが鮮やかで、日常の職員室とは完全に別の世界だった。

南アルプスを単独縦走した女教師の夏休み · B2

だいち · daichi

高原;台地

北岳の頂上から見下ろす甲府盆地の広がり、間ノ岳の広大な山頂台地、農鳥小屋の無愛想な小屋番のおじさんが淹れてくれた温かいコーヒー——すべてが鮮やかで、日常の職員室とは完全に別の世界だった。

南アルプスを単独縦走した女教師の夏休み · B2

だいだいいろ · daidaiiro

結果としての色としてのオレンジ

葵はウィンドブレーカーのファスナーを少し下げた。廊下に出ると、夕焼けが山の稜線を橙色に染めていた。スマートフォンの画面に番号が届いていた。知らない番号。だけど、知っている人。

山岳部の遭難届に自分の名前が入っていた · B1

アイボリー · aibōrī

象牙色の

春子は濃紺のスカートとアイボリーのタートルネックに着替え、折りたたんだ地図をハンドバッグに入れた。玄関前で恵子と合流し、二人は栗林公園へ歩いた。

引越し先の壁に隠されていた地図 · A2

しょうたいきゃく · shōtaikyaku

催しに招待された客

凛は廊下の窓の前に立って外を見た。青空。式場の庭に白い椅子が並んでいる。招待客がそろそろ席につき始めていた。

姉の結婚式当日に式場から消えた · B1

タートルネック · tātorunekku

タートルネックの服

春子は濃紺のスカートとアイボリーのタートルネックに着替え、折りたたんだ地図をハンドバッグに入れた。玄関前で恵子と合流し、二人は栗林公園へ歩いた。

引越し先の壁に隠されていた地図 · A2

フローリング · furōringu

床材

薄黄色の表紙の古いノート、色褪せた花のシールが貼ってある、フローリングの床の上に置かれている

二十年ぶりに届いた交換日記 · B1

せいどう · seidō

正しい方法

手紙の宛先は、故郷の父、田中源兵衛――六十を過ぎた今も、徳川の治世こそが天下の正道だと信じて疑わない、生涯一度も江戸の外に出たことのない男だ。

黒船来航の前夜に書かれた手紙 · B2

のうこん · nōkon

春子は濃紺のスカートとアイボリーのタートルネックに着替え、折りたたんだ地図をハンドバッグに入れた。玄関前で恵子と合流し、二人は栗林公園へ歩いた。

引越し先の壁に隠されていた地図 · A2

いいあらそい · iiarasoi

口論

娘の明日香と取り返しのつかない言い争いをした直後のことで、彼女は大学入学を機に家を出ていった。

初演後に楽譜を焼いた作曲家 · B2

くらがり · kuragari

暗い場所

岡崎誠一が自分の音楽に何かを「言わせてしまった」と気づいたのは、初演の夜、ホールの暗がりの中でオーケストラの演奏を聴いている最中だった。

初演後に楽譜を焼いた作曲家 · B2

そでぐち · sodeguchi

さくらはソファに座ったまま、スマホをテーブルに置いた。クリーム色のニットの袖口をゆっくり引っ張りながら、天井を見上げた。怖い。本当に怖い。でも、みおさんが送ってきたあのあせたニット帽の写真が、頭から離れなかった。どちらの赤ちゃんのものだったんだろう、とずっと考えながら。

同じ日に同じ病院で生まれた他人から連絡が来た · B1

はなしごえ · hanashigoe

凛は廊下を歩きながら、新郎控え室の前を通った。ドアは閉まっていた。それ自体はおかしくない。ただ、話し声も笑い声も何も聞こえなかった。静かすぎた。

姉の結婚式当日に式場から消えた · B1

はやあし · hayaashi

きびきびした歩調

凛は廊下から動かなかった。翔が控え室のドアのそばに立っていた。花がドレスの裾を少し持ち上げながら早足で歩いてきた。凛と目が合ったとき、花は何も言わなかった。凛も何も言わなかった。ドアが閉まった。

姉の結婚式当日に式場から消えた · B1

まちや · machiya

伝統的なタウンハウス

築百五十年の町家の玄関を開けると、古い木と畳のにおいがした。

京町家の最後の後継ぎ · B1

ゆきおんな · yuki-onna

雪女(民間伝承の精霊)

行きます女は消えますでも足跡は残っています「雪女だ!」

雪女が通った後の足跡 · A1

さらさ · sarasa

更紗生地

「インドから渡ってきた更紗も、中国の金糸で織った錦も、」「みんな祇園祭の鉾の上に載っとります」澪はメモを取る手を止めた。

祇園祭の山鉾に眠る異国の布 · B2

いしづくり · ishizukuri

石造りの;石でできた

描かれているのは、鎧を身につけた人物たち、古い石造りの城壁、そしてギリシャ風の装飾。

祇園祭の山鉾に眠る異国の布 · B2

もくへん · moku hen

屋久杉の木片は、お土産や記念品として売れるため、こっそり持ち去る人がいるという話は聞いたことがあった。

屋久島の千年杉を守る男 · B1

きんし · kinshi

「インドから渡ってきた更紗も、中国の金糸で織った錦も、」「みんな祇園祭の鉾の上に載っとります」澪はメモを取る手を止めた。

祇園祭の山鉾に眠る異国の布 · B2

ウスターソース · usutā sōsu

戦前、父の中華料理屋では洋食の要素を取り入れたメニューがあり、このウスターソースは特別な場面にだけ使う調味料だった。

戦後の闇市で生まれたソース焼きそば · B2

てんき · tenki

情報を書き起こすこと

遥は立ち上がり、棚から患者登録ファイルを引き出した。西村朋子、44歳。入院時の記入欄「LINEアカウントID(連絡先通知用)」に、病院の管理アカウントのIDが書かれていた。本人が入力を誤ったのか、記録転記のミスか——とにかく、このアカウントへの転送設定が残っていた。

隣の霊安室から転送されてきたLINE · B1

チャコールグレー · chakōru gurē

翌朝、田中蓮はチャコールグレーのスウェットを脱いで、久しぶりにシャツを着た。鏡の前でフレームレスの眼鏡を直し、耳の後ろに機械式シャープペンをそっと差す。会場へ向かいながら、彼はひとつだけ決めていた——今日は、自分の言葉で話す。

五年ぶりの同窓会前夜に発覚 · B1

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